京急梅屋敷駅から徒歩5分、
並木海苔店は商店街の一画にある海苔問屋だ。
原料となる乾海苔(ほしのり)を仕入れて職人が焼く。
海苔の味の要は仕入れの目利きと職人の焼きの技術だ。
海苔の仕入は毎年暮れから春にかけて行われる。
海苔の生産量と質は年々変化しており、良い海苔を仕入れるのも長年の経験がいる。
年が明けた令和3年1月のある日、例年と同じように社長(父)と専務(息子)は二人で仕入に出かけて行った。
今日もどんな海苔と出会えるか楽しみだ。
いつも通り二人で海苔を見定めていると、稀に見る良い海苔を見つけた。
漁師の生きざまが伝わってくる大変良い海苔だ。
ここで買わなかったらいつまた出会えるかわからない。
社長と専務は覚悟を決めて入札の値段をいれた。。。
しばらくして入札の開票が行われた。
結果は・・・。
見事落札。
しかしその瞬間、喜びと共に背筋が凍った。
社長「隆明(専務)やばい!全部落札してしまった!」
競争率も高く、落札のことばかり考えているあまり、気づいたら大量の海苔を落札していた。
良い海苔が手に入れられて喜んでいたのも束の間、
この大量に仕入れられた海苔をどう売るか、
なんとも言えない恐怖が襲ってきた。
専務「どうすんだ!親父!
・・・・・・。
まあでも大丈夫でしょ。」
美味しい海苔を仕入れられた専務には自信があった。
災い転じて福にできるか否か、今後の並木海苔店に注目である。
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次回:「奇跡が起きた!またあの味が食べたいと注文殺到!」
出演:社長/並木敬一・専務/並木隆明